最後の選手権を終えて

-Aco-

6/6,7に行われた第12回タンゴダンスアジア選手権に出場しました。

結果は、ステージ部門 準優勝、 ピスタ部門 決勝進出(第10位) でした。

応援してくださった皆さん、ありがとうございました。
皆さんの応援が力になりました。
もっと皆さんに恩返しをしたかった。

ステージ部門は昨年も準優勝で、「今年こそは!」と思っていたので、結果は残念でしたが、選手権での自分達の踊りには満足しています。

予選も準決勝も決勝も変わらずリラックスして、「Mala Junta」を楽しむこと、観客に魅せることに集中できました。

踊る前、踊っているときは、適度にしか緊張しませんが、結果発表の時だけは極度に緊張します(笑)
踊る前、踊っているときの自分の精神状態はコントロールできますが、発表前は既に決まった結果を発表されるのを待つしかないから、コントロール外です。



今回の選手権出場をもって、Aco&Marikoは、今後、選手権に出場しない方針としました。
今年8月の世界選手権にも出場しないことにしました。
これは、予め決めていたことです。

残念に思ってくれる方、理解してくれる方、選手権からの逃げだと判断する方、受け取り方はいろいろだと思いますが、わかりやすく理由をまとめると、下記の通りです。

 ・競い合うことで得られる成長は、充分に得たと思う。

 ・他にしたいと思っている活動に使う時間を増やしたい。

 ・選手権での自分達の踊りに満足している。(とりあえず)


実は私(Aco)は、下記の通り、アジア選手権ステージ部門にはけっこう出場しています。

 2005年 予選敗退
 2007年 第5位・ベストドレッサー賞受賞

 2008年 Marikoとペアを組む
 2008年 第4位・ジセラ&ガスパル賞受賞
 2009年 第5位
 2010年 セミファイナリスト(最後のポーズで転倒。。。)
 2011年 お休み
 2012年 第5位・ベストカップル賞受賞
 2013年 第3位
 2014年 準優勝
 2015年 準優勝

こうして見ると、これまでの私のタンゴ人生は、アジア選手権と共にあったと言っても過言ではないですね。

アジア選手権に出場してきたことで、かなり成長することができました。
やはり、競うことは人間を成長させる有効な手段の一つです。
競っていなかったら、ここまで成長できなかったと思います。

これまで、同じ選手権に出場して競い合ってきた皆さんに負けないよう頑張ってきたから、ここまで成長できた。
だから、皆さんに心からお礼を言いたいです。
もちろん、これからもタンゴを探求し、成長していこうという意思は変わらないのですが、とりあえず、これまでありがとうございました。

選手権に出場することは、私達にとって、けっこうな労力です。
プロとしてやっている以上、プライド的に結果を出さないわけにはいかず、他の有意義なことよりも、どうしても選手権優先で物事を考えてしまいがちです。

本当は、優勝して終われるのが一番良いのですが、なかなかそうもいかず、その期間が長過ぎるのは、長期的に見て、Aco&Marikoの活動にとって良くないと判断しました。

一つの目標を持ち、挑戦し続けることは大切ですが、何かに囚われることは良くありません。
見切りをつける勇気を持つべき時もあると考えています。


それから、2008年にペアを組んでから、Marikoも私も、ほとんど休まず、我ながらよく走り続けてきたと思います。
雑巾を固く絞るような期間だったと思います。

自分の感覚として、固く絞るのはひとまずこれくらいにして、もう少し余裕を持って、絵、音楽、タンゴ以外の舞踊、ミュージカル、映画、本などの芸術や美しい自然に触れる機会をもっと増やして、アーティストとしての栄養を補給することを、心と身体が求めているような気がしています。

これからは、選手権以外で、これまでしたいと思っていたことに時間を使おうと思います。


繰り返しになりますが、タンゴを探求し、成長していこうという意思は変わりません。
タンゴは奥深いものです。一生、終わりには到達しないでしょう。

私の人生のキーワードは「感動」です。(参照:http://acomariko.blogspot.jp/2013/06/10.html
その軸にぶれは全くありません。

勝手ですが、今後とも、応援よろしくお願いします。

■ 後日談 ■

こういうことを書くと、頭がおかしいと思われるかもしれませんが、、、

決勝で踊る前に舞台の袖で、私達は優勝しました。

これだけでは意味がわからないし、勘違いもされると思うので、もう少し詳しく説明します。

決勝で踊る前、舞台の袖で、私の精神状態から、これから私達が踊る踊りがこれまでで最高のものになるのは、私にはわかっていました。

私にとって、最高の踊りは優勝と同等です。
だから、私の心の中で、私達は優勝しました。実際に踊る前に。

そして、私はMarikoに「やっと優勝できた。まりちゃん、13年間ありがとう」と心から言いました。

2008年にMarikoとペアを組んだので、13年間も一緒に踊っていません(笑)
この世の事実としては、一緒に踊っているのは7年間です。
13年間は、私個人のタンゴ歴です。

でも、私にとって、そんな事実はどうでもよいのです。
13年間Marikoと踊ってきたという気がするので、それが私にとっての事実です。
人に迷惑を掛けなければ、過去を変更するのは私の自由です。

上記は、あくまで、私の心の中の話です。

実際に優勝した Rodrigo & Natsuko の踊りは素晴らしかった。
それについては、純粋に祝福します。


■ おまけ ■
 全てではないですが、これまでの選手権の写真を掲載します。

2008年 アジア選手権 ステージ部門 曲:Obertura

2008年 アジア選手権 サロン部門
2009年 アジア選手権 ステージ部門 曲:Vampitango
2010年 アジア選手権 ステージ部門 曲:Quejas De Bandoneon
2012年 アジア選手権 ステージ部門 曲:Quejas De Bandoneon
2013年 アジア選手権 ステージ部門 曲:Como Flor de Yuyo
2013年 アジア選手権 サロン部門
2013年 世界選手権 ステージ部門 曲:Como Flor de Yuyo
2013年 世界選手権 ピスタ部門
2014年 アジア選手権 ステージ部門 曲:Como Flor de Yuyo
2014年 世界選手権 ステージ部門 曲:Como Flor de Yuyo
2014年 世界選手権 ピスタ部門
2015年 アジア選手権 ピスタ部門
2015年 アジア選手権 ステージ部門 曲:Mala Junta