- Aco -

子供の頃は絵を描くのが好きでした。

大した自慢話にもなりませんが、図工の時間に描いた絵が賞をもらって、全校朝礼で表彰されたことも何度かありました。

小学校六年生の終わり頃に、空手の先生に呼び出されて「中学校に入ったら、美術部に入って美を磨いたらどうだ?」と提案されました。
『...先生は僕を拘束時間の長い運動部に入らせないで、空手に専念させようとしているのだな』と小学生ながらにわかったのですが、『絵を描く部活も悪くないな』と思って「はい、そうします」と答えました。

今そのシーンを思い出すと可笑しくてしょうがありません。

私は小学校の頃は坊主頭でした。
夕暮れ時の公民館で、空手の先生が真面目な顔をして、坊主頭の田舎の男の子に「これからは美を磨いたらどうだ?」と問いかけて、これまた真面目な顔をして「はい、そうします」と答えるのです。その絵面が面白すぎます。

さらに、その話にはオチがあります。

その後、中学校に入学したその男の子は、空手の先生と約束した通り、美術部に入部するつもりでいたのですが、『ちょっと見学だけ...』と軽い気持ちで立ち寄った柔道部に、見学後すぐに入部してしまったのでした。その男の子には、背負い投げがかっこ良すぎたのです。

そして、これ↓は美術部に入部しなかった男の子の26年後の作品です(笑)