(2)ミロンガでの服装、清潔感について



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今回は、ミロンガでの服装や、身の周りのエチケットについてお話しします。

ミロンガは、大人の男女がアルゼンチンタンゴを踊り、会話を楽しんだり、お酒を飲んだりする場です。
ブエノスアイレスでも日本でも、近年はニーズに合わせた様々なタイプのミロンガが開催されていますが、基本的には上記のような場だと思っていただいていいでしょう。

大人の夜の遊び場ですから、おしゃれをして集まるのがマナーです。
ドレスアップした上で会場に向かっても良いですし、日本のミロンガであれば大抵の会場には更衣室が用意されていますから、そこで着替えてからフロアに向かうのもいいでしょう。

高級なブランドドレスやスーツを着用する必要はありませんが、ジーンズや短パン、ジャージ、Tシャツなど、あまりにラフな服装はミロンガには不適当ですのでご注意を。

堅苦しいなと思われるかもしれませんが、おしゃれも含めて楽しむ気持ちを持てると良いですね。


では、具体的にどんな服装をすればよいのでしょうか。

まずは性別問わず、清潔で、(自分なりに)こぎれいにしていることが大切です。
タンゴは密着度の高いダンスですから、相手に不快感を与えたり、怪我をさせる危険性のあるものは身につけないでください。
たとえばメガネなども、踊るときは胸ポケットなどにしまっておく方が無難です。
相手の顔に当たるかもしれませんし、踊っている最中にフロアに落ちて、誰かが踏んでしまうかもしれません。

また、服装以前の話になりますが、同じ理由で、体臭や口臭のケアは必須です。
歯磨き、マウスウォッシュ、汗ふきシート、臭い消しのサプリメント、香水など、使えるアイテムはいろいろとあります。

毎日シャワーを浴びているのは大前提として(笑)、ミロンガ前に歯磨き・マウスウォッシュをして、汗ふきシートで体を拭き、香水を軽くつければ完璧です。

安い香水は、匂いで気持ちが悪くなるのでおすすめしません。
私は時期によって変えますが、シャネルを使うことが多いです。


男性の場合

男性は、ひとまずはシャツにスラックス、という組み合わせを基本とすれば大丈夫です。
さらにおしゃれをしたい方は、ジャケット、ベスト、ネクタイなども着用できると良いでしょう。
私個人は、ネクタイとジャケットを合わせることをおすすめしています。大抵の男性は、その方がかっこよく見えます。
ミロンガによっては、ネクタイとジャケットを必須としているところもありますので注意してください。

なお派手な色の幾何学模様やストライプなど、コントラストの強いパターン柄のシャツを着ていると、踊っている相手が(視線の高さにもよりますが)目を回してしまうことがあります。
そのようなシャツを着る場合は、上から無地のジャケットを羽織るなどしていた方が安全です。

おしゃれに不慣れなうちは、高級品やデザインに凝ったものを無理に身につけるよりも、シャツが皺くちゃでないか、汗でべたついていないかなど、こぎれいさに注意を払うと良いでしょう。お互いに気持ちよく踊れるような格好を心がけてください。

たとえば会社帰りにミロンガに行く場合は、ミロンガ用の清潔なシャツを一枚バッグに入れておき、ミロンガ前に着替えるのがおすすめです。気持ちも切り替わっていいですよ。


女性の場合

女性は男性より服装の選択肢が広いので、身なりに迷う方もより多いかもしれません。

ミロンガ会場で多く見るのは、やわらかい素材でできたワンピース、ブラウスにスカートなどです。
しっかりとドレスアップされている方から、お勤めにもいけるようなカジュアルなおしゃれにとどめている方もいらっしゃいます。
せっかくのミロンガですから、普段はなかなかできないような、華やかなおしゃれを楽しむことを個人的にはおすすめしたいです。

とはいえダンスをすることを前提とした装いですから、伸縮性のない、体を動かしづらい素材は避けましょう。
また、極端に裾が短かかったり、長かったりする服装もミロンガには不向きです。
長い分には良いのではと思われるかもしれませんが、踊っている最中に、自分や周りの人のヒールがひっかかることがあり危険です。
裾の長さは、ひざ上から、ミモレ丈と呼ばれるひざ下までが良いと思います。

なおタンゴのドレスは、専門のブランドもいくつか存在します。
タンゴ教室やミロンガ会場で販売されていることがありますのでチェックしてみてください。

アクセサリーを装着するのも素敵ですが、こちらも安全には注意が必要です。
とがったイミテーションのついたブレスレットや指輪、ピアス、ヘアピンなどは、踊る相手が痛い思いをしますから避けましょう。


今はファッションが多様化している時代ですから、一概に「これが正しい」とは決めつけられません。
「大人の社交」にふさわさしい服装であること、相手に不快感を与えない姿であることに注意したうえで、エレガントなおしゃれを楽しみたいものですね。

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